コーヒーの焙煎には焙煎機だけではなく、さまざまな道具が必要です。道具がしっかり揃っていなければ、焙煎度合いや風味にバラツキが出てしまうこともあります。
今回の記事では、自家焙煎を始めようと思ったときに、準備しておきたい道具を紹介していきます。なくても焙煎できるけどあったほうが便利なものや、意外と知られていないけど絶対あったほうがよいものも紹介します。
この1記事だけで、焙煎に必要な道具だけではなく、おすすめの焙煎機も知れるので、読み終わったらサクッと焙煎してみましょう!
コーヒーを自家焙煎するための道具
コーヒーを自家焙煎するための道具は以下の通りです。
- 焙煎機
- 生豆
- ガスコンロ
- 温度計
- ストップウォッチ
- ドライヤーもしくはうちわ
- 手持ち掃除機
最低限上記の道具があれば簡単に焙煎を始められます。まずは具体的に必要な道具について、解説していきます。
1.焙煎機
なんといっても準備するべきものは、焙煎機です。
これがなければコーヒー豆を焙煎することは難しく、自家焙煎に欠かせません。
焙煎機は手回し式や手網式などの手動タイプか、自動で焙煎してくれる自動タイプのどちらかです。また、焙煎方法についても、直火式や熱風式、半熱風式などの種類が分けられています。
初めて焙煎するのであれば、予算を考えて、手網式や手回し式の焙煎機がおすすめ。なぜなら、焙煎に必要なことを五感で感じやすいからです。
焙煎が進んだ時に見える豆の色、焙煎中の匂い、焙煎するときの腕の運動、爆ぜる音、焙煎後の豆を試飲した時の味。これらを感じ取ることで、よりよい焙煎に繋がります。
記事の後半で、おすすめの焙煎機を紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2.生豆
当たり前のことですが、生豆を事前に仕入れておきましょう。生豆を選ぶ上で重要なことは、以下の通りです。
- 自分が好きな国の豆か
- 精製方法
- 品種やグレード
これらを考えて、焙煎したい生豆を選んでいきましょう。
ナチュラルやウォッシュトなどの精製方法の違いによっても、味わいが変わってくるので、よくチェックしてみてくださいね。
3.ガスコンロ
ガスコンロはあると便利です。
準備しなくてもよいもののひとつですが、備え付けのキッチンコンロで焙煎するのはあまりおすすめしません。
なぜなら、焙煎中に生豆の薄皮(チャフ)が飛び散り、掃除がめちゃくちゃに大変だからです。
ガスコンロがあれば、その上で焙煎ができるため、キッチンコンロを汚さずに済みますよね。普段、彼女や奥さんがキッチンに立つのであれば、チャフで汚れたキッチンを見てどう思うでしょうか。。。
考えたくありませんね。なので、ガスコンロは準備しておくのがおすすめです。
4.温度計
温度計があれば、焙煎に関して知識を深めやすいです。なぜなら、火加減によって、コーヒー豆の出来上がりは変化するからです。
温度計で測ることで、焙煎が進んでいるのか全然進んでいないのかが分かります。
焙煎の進み具合によっては、火加減を調節する必要があるため、温度計は1台用意して、焙煎中は手元に置いておくのがベストです。
5.ストップウォッチ
温度計と同じく、ストップウォッチも重要です。なぜなら、焙煎時間によってもコーヒー豆の仕上がりが変わるからです。
ストップウォッチで時間を見つつ、温度計で温度を計りながら焙煎できれば、美味しい豆を焼ける確率は高まります。
6.ドライヤーもしくはうちわ
ドライヤーやうちわは、焙煎終了後に冷却するために必要です。冷却しなければ、火からおろした後に焙煎中の熱によって、焙煎が進んでしまいます。
たとえば、良い感じの浅煎りで仕上げたものの、すぐに冷却をしなかったことによって、中煎りになってしまうこともあります。
せっかく時間や温度を徹底的に管理しているのに、思った通りの焙煎度合いや味わいにならないのは悲しいことです。
ぜひ冷却できるものを準備しておきましょう。予算に余裕があれば、コーヒークーラーもおすすめです。
7.手持ち掃除機
手持ち掃除機は、焙煎が終わった後の片付けで使用します。意外と見落としがちですが、掃除道具がないと、焙煎の後片付けはめちゃくちゃ手間がかかります。
たとえば、生豆についている薄皮(チャフ)は焙煎中に飛び散ります。以下画像のように、換気扇の付近にも付着するので、気をつけてください。
掃除機がなければ、掃除に時間がかかるのは当然。せっかく焙煎後のコーヒーを楽しもうと思っても、なかなか楽しめませんよね。
Amazonや楽天市場で、安めの手持ち掃除機を購入しておくことをおすすめします。
8.そのほか(ろうと、軍手、ペンとノート)
そのほかあると便利な道具は以下です。
- ろうと
- 軍手
- ペンとノート
- コンロの下に敷くトレー
- コーヒー豆の保存容器
- コーヒー豆を入れるメッシュのトレー
これらがあると、ストレスなく焙煎できます。
ペンとノートに関しては、焙煎レベルをアップさせるために必要です。このくらいの容量の生豆を投入し、この時間帯にこの温度で焙煎すれば美味しくなるというのをメモしておけば、自分だけのプロファイルが作れます。
そのほかの道具も準備して、楽しく焙煎をしていきましょう!
コーヒーを焙煎する時の全体の流れ
全体の流れは下記の通りです。
- 生豆にある欠点豆を取り除く
- 生豆を計量する
- 焙煎開始
- 自分の好きな焙煎度合いまで焙煎する
- トレーに移して冷ます
- 欠点豆を取り除く
これらが一連の流れです。
特に、欠点豆を取り除くこととトレーに移して冷ます、最初と最後の過程に手を抜かないようにしましょう。なぜなら、ここがしっかりできていれば比較的美味しい豆が焼けるからです。
焙煎中は、温度や時間管理、回すスピードの一定化をしていくことがポイントです。
以下の記事では、実際の写真付きで焙煎の流れを解説しているので、参考にしてみてくださいね。
コーヒーを自家焙煎するなら購入したいコンパクト焙煎機3選
ここでは、自家焙煎におすすめのコンパクトな焙煎機を紹介します。
これから自家焙煎を始めようと思った時に、購入するべき焙煎機は、コンパクトなタイプです。
家においても邪魔にならず、使いやすい焙煎機を選びましょう。
1.焙煎器 煎り上手
手軽に家で美味しいコーヒーが焼ける焙煎機。浅煎り、中煎り、深煎りと焙煎度合いも自分好みに変えられます。
使い方はとてもシンプル。生豆を焙煎機に入れて、ガスコンロで5分程度左右に振るだけで、ムラなく焙煎できます。
そして、重さは240gと計量のため、男女問わず、使いやすい軽さです。キャンプでの焙煎にもピッタリなので、アウトドアコーヒーも楽しめますよ。
2.マルカ 日本製 銀杏煎
至って普通の銀杏煎です。
さきほど紹介した煎り上手でなくても、火力調節、時間管理ができればムラなく美味しい豆が焼けます。
銀杏煎ならホームセンターでも購入でき、手軽に安く焙煎を始めたい方にとってもおすすめです。
とはいえ、銀杏煎りでの焙煎はあくまで、焙煎経験ができる手軽な道具と思っておくほうがよいです。なぜなら、熱伝導の方法が「焙煎機」として販売されている道具と違うからです。
焼肉で使う網のような構造のため、豆の内部まで火が通らず、表面だけが焼き上がってしまう可能性が高まります。渋みを感じやすくなるので、とりあえず焙煎を経験してみたいという方におすすめです。
3.珈琲考具 回転式ロースター
手回し焙煎機の中でも使いやすさがトップレベルの焙煎機です。
手網を使った焙煎では、火にかけながら焙煎機を振り続けなければいけないため、労力や手間がかかります。10分以上を振り続けるのは大変な上に、十分に生豆が撹拌できずに、焼きムラになりやすいです。
その点、この焙煎機は、手でつまみを持って回しながら焙煎でき、さらにムラなく焙煎できるように、撹拌しやすいように内部に羽がついています。
日本で一般的なガスコンロにも対応するので、価格は2万円いかないくらいで少々値を張りますが、予算に余裕があれば購入を考えましょう。
コーヒーの自家焙煎を本格的にしたいなら購入したい焙煎機7選
ここからは本格的に自家焙煎を始めたい方向けに、焙煎機をいくつか紹介します。実際にコーヒーショップを運営する私も購入を検討した商品ばかりですので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.Gene Cafe ジェネカフェ CBR-101A
3D回転する熱風式焙煎機。
熱風式かつ立体的に撹拌ができるため、煎りムラが少なくなります。
表示ディスプレイも搭載しており、温度や時間設定がしやすく、好みの焙煎度合いに仕上げられますよ。
チャフコレクターもついており、掃除のしやすさも抜群。焙煎が終われば、コレクターを取り出し、チャフ捨てれば即終了です。
2.小型コーヒーロースター 焙煎機 クラシック型 CR-01
自動焙煎かつ小型の直火式焙煎機です。
ステンレス製のパンチングドラムを使用しており、コンロの火を直接当てて加熱します。直火式の場合は、火加減の調整にコツが必要ですが、焙煎そのものに慣れることによって、さらに風味豊かなコーヒーが味わえます。
最大容量は250gなので、業務用として使うこともでき、価格も1万円を切るため、スモールスタートをしやすい商品です。
3.KALDI (カルディ) Coffee Roaster ミニサイズ
韓国のメーカー、KALDIから販売されるコンパクトな焙煎機。
焙煎される豆の温度を計測できるよう、温度計がついています。また、直火式ドラムの中には、撹拌のための羽がついており、均一に焼くことができます。
付属品として、サンプラーと呼ばれる、焙煎中の生豆の焙煎度合いを確認するものや生豆を投入しやすい「ろうと」のような物もついています。
これ一台を購入するだけで、スグに本格的な焙煎を始められますよ。
4.サンドボックス スマート コーヒーロースター
もし本格的に自家焙煎を楽しむのであれば、選びたいのはコレ一択。サンドボックスのスマートコーヒーロースターです。
第一世代、第二世代とありますが、機能面で優れているのはもちろん第二世代。とはいえ、第一世代でもBluetoothでスマホとつなげば、焙煎プロファイルが作成できて、温度管理や時間管理も楽々。
ただ、第一世代の場合は投入容量は100gと少なめなので、もっと多く焼きたい方は、容量が500gに増えた第二世代を購入しましょう。
サンドボックスを使った焙煎レビューはYouTubeでよく見かけるので、そちらも参考にしてみてくださいね。
5.KAKACOO コーヒーロースター
サンドボックスよりも手頃に買えるのが、KAKACOOのコーヒーロースター。自動焙煎かつ、ドラムがガラスになっているので、豆の色がよく観察できます。
煎り止めのタイミングが分かりやすいので、好みの味に調整しやすい焙煎機です。
2万円台で購入でき、差し込み式の温度計を追加購入できれば、温度管理だってできます。予算は5万円以内ならこの焙煎機の購入も考えましょう。
6.ワイルドコーヒー グレイダー360
ワイルドコーヒーの焙煎機です。
コンパクトながら最大360gまで焙煎でき、最小120g焼けます。
家の1口ガスコンロやカセット式ガスコンロを使って焙煎できるため、ホームロースターにも使えます。
ダンパーもついているため、本格的な自家焙煎のほかにサンプルロースターとしても活躍が期待できます。送料無料とはいえ、価格は10万円を超えるため予算との相談が必要です。
7.パナソニック The Roast
最近生産終了してしまった、パナソニックのThe Roast。
何が良いかというと、そもそも「パナソニック」という日本の大手メーカーが作っていることと、Bluetoothで接続するだけで焙煎プロファイルが簡単に取れること。
50gの焙煎ができるため、The Roastをサンプルロースターとして使用しているカフェもあるほどです。
バージョンによっては20万円前後してしまいますが、家庭用のバージョンでは10万円前後なので、予算に余裕があり、プロファイル作りもしたいという方におすすめできます。
コーヒーを自家焙煎する時の注意点
ここからはコーヒーを自家焙煎する時の注意点を解説していきます。具体的には大きく3つあり、それが下記です。
- チャフが舞い散る
- 時間と労力がかかる
- 火傷に注意する
具体的に詳しく解説していきます。
1.チャフが舞い散る
自家焙煎で厄介なのが、コーヒーの生豆についているチャフと呼ばれる薄皮。焙煎中はこのチャフが舞い散ります。
以下の画像を見てもらえれば分かりますが、コンロ上の換気扇部分やキッチン周りのいたるところに埃のようなゴミのようなものが付いています。
これは焙煎を1回した時に出たチャフの量です。キッチン周りがとても汚くなるので、手持ち式の小型掃除機は必ず用意しましょう。
2.時間と労力がかかる
焙煎には時間と労力がかかります。自動焙煎ならまだしも、手回し焙煎や手網式なら尚更です。
手網式では、10分間200g以上の道具を振り続けないといけず、手が疲れてしまうのは当然。また、夏は暑さとコンロからの熱で汗をダラダラかきながらの焙煎です。
たとえ10分間の焙煎とはいえ、欠点豆を取り除いたり、冷却したり、掃除したりとしていれば、あっという間に30分以上はかかてしまいます。
時間と労力がかかりますが、無理ない範囲で楽しみましょう。
3.火傷に十分注意する
最後に、火傷には十分に注意しましょう。なぜなら、焙煎中は200度以上の熱を豆に与えるため、素手で触れると大怪我は避けられないからです。
たとえば手回し焙煎機の回し部分でも意外と熱くなります。軍手をつけていれば、そこまで感じることはないので、とりあえず軍手をはめて焙煎するようにしましょう。
まとめ
ここまで自家焙煎に必要な道具やおすすめの焙煎機、焙煎方法などを紹介していきました。
焙煎と聞くと、高価な機械や生豆を買わないとできず、高い技術力を持っていないと難しいものだと思ってしまいますが、実は誰でもできます。
休みの日に焙煎してお家コーヒーを楽しむのもよし。平日もガツガツ焼いて本格的に自家焙煎のコーヒーショップをオープンするのもよし。
焙煎に興味が出てきたら、ぜひ本記事を参考にしながら焙煎道具を揃えてみてくださいね!
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